難しい天然酵母
天然酵母は、ブドウなど果実や穀物に付いている野生の酵母を利用して種を作ります。従って、イーストのように単一種の酵母ではありません。いろいろな種類の酵母が混在していることになり、それぞれの酵母が出すアルコール、もともと付着していた果実や穀物のフレーバーがあいまって独自の味と香りをパンに付けます。
これが魅力と言えば魅力なのですが、扱いがなかなか面倒なのです。理論的には、果実や果物、根菜類などと水を加え、一定温度に保っておけば作れるのですが、温度管理はかなり難しく、手間と時間もかなりかかります。更には、発酵力が弱い点もあって、培養される酵母菌数も一定にはなりません。
つまり作り出される品質が安定していないので、パン作りに天然酵母使うと失敗してしまうことも多くなります。慣れないと使いにくい、というイメージが結構あるかもしれませんね。
しかし、酵母の他に多種多様な乳酸菌などの微生物が増殖しているということは、こうした種には普通のパン酵母だけで発酵させたパンよりも独特な風味、香り、食感が楽しめる可能性もあるということで、だからこその今回の表題が出てくるわけです。
自家製の場合、何を原料にするかですが、多いのはレーズンのようです。他にはライ麦、ヨモギ、ミントなども使われています。